同一労働同一賃金は、働き方改革の一環として2020年(中小企業は2021年)に施行される制度です。
同一労働同一賃金は、どういった影響をもたらしどういったメリット・デメリットが発生するのか、経営者、正社員、非正規雇用者の観点から確認しましょう。
同一労働同一賃金の概要
同一労働同一賃金をかんたんに説明すると、「同じ内容の労働の場合、支払う賃金はどんな立場だとしても全く同じものになる」ということです。
現在、日本では給与格差が問題になっています。
正社員とアルバイトだけではなく、年令や性別、国政機などの要素で支払われる給与が大きく違うことは多いです。
給与だけではなく、待遇面においても雇用形態や性別、年齢などで異なることは多く、過去に裁判に発展したこともあります。
そんな給与を始めとした待遇を改善するための施策が同一労働同一賃金です。
同じ内容の作業の場合、雇用形態はもちろん性別や年齢、国籍などその他諸々による要因での給与・待遇格差がなくなることにより、所得格差の発生を防ぐという方策です。
メリットとデメリット
そんな同一労働同一賃金で経営者に正社員、そしてアルバイトなどの非正規雇用者はどういった影響を受けるのでしょうか。
ここでは、各々のメリットとデメリットを見てみましょう。
非正規雇用者のメリットとデメリット
同一労働同一賃金で一番大きいメリットが有るのは、やはりバイトやパートと言った非正規雇用者です。
努めている会社によっては大幅な給料アップが見込めるため、利益を得やすくなります。
また、それに伴い生活に余裕ができるようになるのでキャリアアップのための勉強などがしやすくなる土壌も生まれます。
よって、向上心があればあるほど同一労働同一賃金によって得られるメリットは大きくなると言えるでしょう。
一方で、人件費の影響でリストラされる可能性が生まれるということも忘れてはいけません。
人件費が増える分十分なレベルに達していない人材はリストラされやすくなるからです。
よって、よくも悪くも今以上に向上心が必須となるでしょう。
正社員
正社員が得られるメリットは、上を目指しやすくなったことでしょう。
年令や性別などで給与格差がなくなるため、優秀な人材が評価されやすくなります。
それに伴い、新入社員でも誰でも十分な成果を出すことで正当な評価を得られやすくアンリます。
それによって出世のチャンスも増えるというのが正社員のメリットと言えるでしょう。
一方で、人件費増加に伴う給与ダウンや、最悪リストラに遭う可能性も出るというのがデメリットです。
正社員でも能力面で非正規雇用者よりも低い場合、その影響でリストラされるという可能性は0ではありません。
よって、こちらも良くも悪くもやる気や能力、向上心が影響します。
経営者のメリットとデメリット
経営者が受けるメリットとしては、業績アップの可能性です。
同一労働同一賃金の施行によって給与・待遇格差がなくなることで非正規雇用者のモチベーションがアップするだけではなく、正社員も年功序列ではなく実力で成果を出すことが増えるため、優秀な人材を発見しやすいため、優秀な人材を厚遇して確保することで、会社の業績アップに繋げやすくなります。
一方、非正規雇用者を多く雇っている場合は人件費の増大の心配をしなくてはなりません。
本来、正当な理由で正社員と非正規雇用車の間の給料にさがある場合は問題ありませんが、非合理的な意味で給与格差が生じている場合、非正規雇用者にも正当な報酬を支払う義務が生まれます。
そのため、人件費が大きく膨れ上がるリスクがあります。